アンティーク家具は見た目の美しさだけではない
英国家具を基本に時を超え愛され、受け継がれるその美しい装飾と技法についてパルテノンなりに纏めました。
アンティーク家具には長い歴史の中で国や文化により、様々な様式が生まれました。
現代でも英国アンティーク家具をはじめ各国のアンティーク家具の素晴しさに多くの人々が魅了され、大切に使われています。
初期ルネッサンス時代、家具の脚等に施された彫刻で球根の膨らみを模したフォルムの重厚感ある装飾。
ジャコビアン様式(バロック時代)になり、ボールターンと呼ばれるボール状に繋がった形状の装飾。
同じくジャコビアン様式(バロック時代)に、バーレイシュガー・ターンと呼ばれるロープの形状を模したような装飾。
同じくジャコビアン様式で、ボビン・ターンと呼ばれる装飾も生まれ、ろくろなどで糸を巻き取ったようなボビン形の意匠。
17世紀中ごろからツイストやカーブの意匠が生まれ、大麦をひねり束ねた状態を模した装飾。ツイストは分類、見分けるのが難しい。
螺旋状にねじり上げたロープのような装飾です。交差するように緩やかなツイストが特徴。
17世紀のウォルナットの時代から艶を活かすカップの形状を逆さに用いた意匠が生まれる。
2重の綾掛けにひねった装飾で、テーブルなどの脚などにも用いられる。画像はチェアの背面の装飾に用いられています。
チェアの脚などで質感を活かす形状で、C・スクロール(C字に渦形を意匠)の発展型でブラガンザ・トゥを投影させた意匠の脚です。(画像はキャビネットの脚)
キャビネット等の脚に用いられることが多いようです。ボール形または少し押しつぶしたような球形を意匠した脚です。
クィーン・アン様式の時代、権力の象徴として玉を釣り爪でつかむことを意匠で表した。総称ガブリオレ・レッグとも言う。
平らな円盤形の脚下受けの意匠で、ボール&クロー、フーフ・フットとまとめて総称ガブリオレ・レッグである。
マホガニーの輸入と同じくして現れはじめた蹄状の先端を持つ脚。フーフ・フットに比べて装飾が無くS字の曲線を描くシンプルで美しい脚です。
キャビネットやカップボードなどの脚が短くなり、オージー形(凹凸カーブの繰り形)に変わる。
まっすぐの角で内外に曲線の意匠がある短い脚で収納家具などに多いシンプル目な脚です。
ヘッペルホワイトデザインの椅子の脚には四角形で絞りを付けた、このスクウェアーレッグがとり入れられています。
外方向にむかって優美な曲線で開放脚を意匠とするデザインの脚です。
現代でも人気の高い、ヴィクトリア時代の美術様式でエクレクティック(過去の良いところを取り入れたデザイン)様式に。
ヴィクトリア時代の美術様式、エクレクティック(これまでの優れたものや憧れていたものなどの、良いところを取り入れたデザイン)と呼ばれる様式に。
文様を透かして素地を残す方法を文様透かしといい。文様の周りの素地を透かす方法を地透かしといい。2とおりの技法がある。
巻いた形や折り畳んだ形のナプキンに似せた彫り模様でフランドル地方から伝承される。主にキャビネットの扉などに施されている。
一つで素材となるものに異質の素材(木材や金属、骨片、貝殻、陶磁器など)を嵌め込み美しい模様を施す技法です。
一つで素材となるものに異質の素材(木材や金属、骨片、貝殻、陶磁器など)を嵌め込み美しい模様を施す技法です。
はしご状の背もたれ。Hの文字が縦に繋がったようなイメージ。また、曲線を取り入れたものや、透かし彫りの物もある。
チェアの背板の部分がバイオリンのような形状をしたデザイン。
名の通り四角い外形をもつチェアの背もたれで、ヘッペルホワイトのデザインの特徴のひとつ。
チェアの背もたれで繊細な装飾が美しい透かし彫りが施された楯型の背もたれ。ヘッペルホワイトデザインの特徴のひとつ。
チェアの背もたれで美しい曲線がエレガント。小ぶりで持ち運びが容易で、風船のように丸い形からバルーンバックと呼ばれる。