美しい装飾と技法

アンティーク家具は見た目の美しさだけではない

英国家具を基本に時を超え愛され、受け継がれるその美しい装飾と技法についてパルテノンなりに纏めました。
アンティーク家具には長い歴史の中で国や文化により、様々な様式が生まれました。
現代でも英国アンティーク家具をはじめ各国のアンティーク家具の素晴しさに多くの人々が魅了され、大切に使われています。

時代とともに生まれた美しい脚

球根形
Bulbous form
バルバス・フォルム
技法:彫刻
主に1500年代頃より

初期ルネッサンス時代、家具の脚等に施された彫刻で球根の膨らみを模したフォルムの重厚感ある装飾。

ボール形
Ball turned
ボール・ターン
技法:挽き物
主に1600年代頃より

ジャコビアン様式(バロック時代)になり、ボールターンと呼ばれるボール状に繋がった形状の装飾。

螺旋形
Barley sugar
バーレイシュガー・ターン
技法:挽き物
主に1600年代頃より

同じくジャコビアン様式(バロック時代)に、バーレイシュガー・ターンと呼ばれるロープの形状を模したような装飾。

ボビン形
Ball turned
ボビン・ターン
技法:挽き物
主に1600年代頃より

同じくジャコビアン様式で、ボビン・ターンと呼ばれる装飾も生まれ、ろくろなどで糸を巻き取ったようなボビン形の意匠。

螺旋形
Barley twist
バーレイ・ツイスト
技法:挽き物
主に1660年~1720代頃

17世紀中ごろからツイストやカーブの意匠が生まれ、大麦をひねり束ねた状態を模した装飾。ツイストは分類、見分けるのが難しい。

螺旋形
Twist turned
ツイスト・ターン
技法:挽き物
主に1660年~1720代頃

螺旋状にねじり上げたロープのような装飾です。交差するように緩やかなツイストが特徴。

カップ形
Turned inverted cup
ターン・インバーテッド
カップ
技法:挽き物
主に1660~1720頃

17世紀のウォルナットの時代から艶を活かすカップの形状を逆さに用いた意匠が生まれる。

螺旋形
Double twist
ダブル・ツイスト
技法:挽き物
主に1660年~1720代頃

2重の綾掛けにひねった装飾で、テーブルなどの脚などにも用いられる。画像はチェアの背面の装飾に用いられています。

渦形
Walnut scroll
ウォルナット・スクロール
1660~1720頃

チェアの脚などで質感を活かす形状で、C・スクロール(C字に渦形を意匠)の発展型でブラガンザ・トゥを投影させた意匠の脚です。(画像はキャビネットの脚)

ボール形・球形
Bunfoot
バンフット
主に1660年~1720代頃

キャビネット等の脚に用いられることが多いようです。ボール形または少し押しつぶしたような球形を意匠した脚です。

Ball&claw foot
ボール&クロー・フット
主に1700頃より

クィーン・アン様式の時代、権力の象徴として玉を釣り爪でつかむことを意匠で表した。総称ガブリオレ・レッグとも言う。

円盤形
Pad foot
パッド・フット
主に1700年頃より

平らな円盤形の脚下受けの意匠で、ボール&クロー、フーフ・フットとまとめて総称ガブリオレ・レッグである。

Plain hoof foot
プレーン・フーフフット
主に1720年代~1770年代頃

マホガニーの輸入と同じくして現れはじめた蹄状の先端を持つ脚。フーフ・フットに比べて装飾が無くS字の曲線を描くシンプルで美しい脚です。

Ogee Bracket foot
オージーブラケットフット
主に1960年頃より

キャビネットやカップボードなどの脚が短くなり、オージー形(凹凸カーブの繰り形)に変わる。

Bracket foot
ブラケット・フット
主に1760年頃より

まっすぐの角で内外に曲線の意匠がある短い脚で収納家具などに多いシンプル目な脚です。

Square legs
スクウェアー・レッグ
主に1770年頃より

ヘッペルホワイトデザインの椅子の脚には四角形で絞りを付けた、このスクウェアーレッグがとり入れられています。

Sabreleg
サーベル・レッグ
主に1800年頃より

外方向にむかって優美な曲線で開放脚を意匠とするデザインの脚です。

Reeded legs
ジャコビアン・リヴァイヴァル
主に1830年頃より

現代でも人気の高い、ヴィクトリア時代の美術様式でエクレクティック(過去の良いところを取り入れたデザイン)様式に。

victorian style
ヴィクトリアン・スタイル
主に1830年頃より

ヴィクトリア時代の美術様式、エクレクティック(これまでの優れたものや憧れていたものなどの、良いところを取り入れたデザイン)と呼ばれる様式に。

芸術のような美しい表情を魅せる装飾

透かし彫り
Pierce carving
ピアースカービング
技法:2種類ある。

文様を透かして素地を残す方法を文様透かしといい。文様の周りの素地を透かす方法を地透かしといい。2とおりの技法がある。

リネンホールド型
Linen hold
リネン・ホールド
技法:彫刻
主に1500年~1600年頃

巻いた形や折り畳んだ形のナプキンに似せた彫り模様でフランドル地方から伝承される。主にキャビネットの扉などに施されている。

嵌め込み(タイプ1)
Inlay work
インレイワーク
技法:象嵌細工(ゾウガンザイク)
17世紀頃より

一つで素材となるものに異質の素材(木材や金属、骨片、貝殻、陶磁器など)を嵌め込み美しい模様を施す技法です。

嵌め込み(タイプ2)
Inlay work
インレイワーク
技法:象嵌細工(ゾウガンザイク)
17世紀頃より

一つで素材となるものに異質の素材(木材や金属、骨片、貝殻、陶磁器など)を嵌め込み美しい模様を施す技法です。

はしご形
Ladder back
ラダーバック
技法:
1755年代頃より

はしご状の背もたれ。Hの文字が縦に繋がったようなイメージ。また、曲線を取り入れたものや、透かし彫りの物もある。

Fiddle back
フィドルバック
技法:
1755年代頃より

チェアの背板の部分がバイオリンのような形状をしたデザイン。

スクウェアー形
Square back
スクウェアーバック
技法:
1780年代頃より

名の通り四角い外形をもつチェアの背もたれで、ヘッペルホワイトのデザインの特徴のひとつ。

シールド形
Shield back
シールドバック
技法:透かし彫り
1780年代頃より

チェアの背もたれで繊細な装飾が美しい透かし彫りが施された楯型の背もたれ。ヘッペルホワイトデザインの特徴のひとつ。

バルーン形
Balloon back
バルーンバック
技法:
1830年代頃より

チェアの背もたれで美しい曲線がエレガント。小ぶりで持ち運びが容易で、風船のように丸い形からバルーンバックと呼ばれる。