~補修・点検・美装~
アンティークランプをいちから組み直し全て自社での「安全点検」を行ってからお客様の手元にお届けしています。
当店の扱う1968年以前に製造された、電気用品安全法の技術基準に適合しないアンティーク/ヴィンテージ照明器具などはPSEマークを表示できませんが、法令に定められた自主検査を行い、安全性を確認した上で経済産業省の例外承認制度をうけて販売いたします。
(電気用品安全法第8条第一項第一号及び第27条第二項第一号)
パルテノンでは、PSE基準の検査試験機を使い下記の試験を行い、安全性能を確認しております。
①外観検査・・・・ 専用工具、目視で電気用品の外観に異常がないか確認します。
②絶縁耐力検査・・ 電気用品安全法の基準をみたした機械を使い、電気用品に絶縁性能があるかを確認します。
③通電検査・・・・ 電源を入れた状態で正常に作動するかを確認します。
上記試験内容を保管し、安全管理に努めています。
パルテノンのアンティークランプは、安心してお使いいただけます。
その理由は、自社の工房にてリペアクラフトマンが解体から古い電気配線や部品の交換、組み直し、美装までを丁寧に行っているからです。では、リペアの工程写真もご覧いただきながら、工程ごとにご説明いたします.
リペアする前のアンティーク・ランプの状態は、ものにより違いが生じますが、およそ70年以上も永く愛され使い続けられています。数十年もすれば劣化が進むのは、自然のこと。そしてまたリペアをすることで、この素敵なアンティークランプを安全に使うことが出来るのです。しかし、古くなった配線や電気部品のまま、リペアせずに使い続けるのは、大変に危険です。また、シャンデリアの真鍮もくすんで輝きを失っています。
①フランジは、内部の金具がサビています。強度が心配ですね。
②擦り切れて細くなったチェーンや、老朽化し使用を続けるのは危険な電気コード。
③本体、アームなど真鍮表面はくすみがあり、輝きがないため美装と磨きが必要ですね。
④電球のソケットとなる部分は木製で、とても粗末な作りであり、古くて使えない状態です。
⑤真鍮はくすみ、ローソクカバーは古くなり汚れています。交換しましょう。
⑥電気コードの黄色い保護カバーが途中から切れて破損している。
⑦チェーンと本体を連結している真鍮の部品、シャンデリアの揺れで部品が削られ変形している。
⑧ローソクカバーと電球ソケットをはめる真鍮の装飾部品、木製のソケットが乗っているだけの粗末な状態。装飾部品のコード穴も小さい為、大きくし、ねじ切り加工も必要です。
このように、アンティークランプは連結金具やチェーン、電気配線など、劣化が進んでいます。とくに見えない部分は要注意です。解体してきずくこともありますから、パルテノンでは解体可能なところまで解体し、安全性をチェックしています。では、リペアをはじます。まずは、工程1「解体」です。
解体をした際に、状態を確認します。破損や劣化している部分をこまかくチェックして修復や加工、部品の一部交換などを検討していきます。
①黄色い保護カバーが途中で切れて配線がむきだしになり、劣化も進んだ危険な電気配線。
古い配線を全て取り除き、日本製の新しい電気配線に交換する必要があります。
②フランジ内部の金属部品、鉄が錆びついており耐久性が低下しているため落下する危険がある。
照明が落下するのを防ぐために、新しい部品に交換することで安心して使用することが出来る。
③チェーンは金属の厚みが薄く、劣化が進み錆ついており耐久性が低下、フランジ内部の金属部品同様に落下の危険が考えられるので、こちらも新しいチェーンに交換する必要があります。
④電球のソケット部分は、とても粗末な作りになっており、使用できない状態でした。
こちらも全て、新しい電気ソケットに交換する必要があります。
解体してパーツをひとつひとつ、ブラシやスポンジなどで丁寧に水洗いします。汚れが酷く、簡単に落ちないものは本体を傷つけないよう、洗浄剤や洗浄道具を工夫したりして出来る限り汚れを除去していきます。
①細かいパーツもひとつひとつ美装します。
②洗った直後で、まだ水気が残っています。
③アームの曲線や溝も丁寧に洗っていきます。
④全ての美装が完了し、水気も拭き取りました。
まずは、古い配線から交換していき、電球のソケットも安全なものにすべて交換していきます。
その他にも、シャンデリアの荷重に耐えるチェーンやいくつかの部品の交換や必要であれば部品の加工もしていきます。
電球のソケットを取り付ける部分のシャンデリアのパーツ。配線を通す穴が空いていますが、小さい為に新しい配線を通すことができません。少し穴をドリルで広げて大きく加工する必要があります。
シャンデリアパーツを機械に固定して、ドリルで穴を広げて大きく加工しようとしているところです。
左が加工済みのものです。これで配線を通すことができる。
左がもともと付いていた木製の電球のソケットです。しっかりと固定せずシャンデリアのパーツに、はめ込んでいただけの粗末な作りでした。右がネジ溝のついた鉄の棒に固定する予定の新しい電気のソケットです。
新しい電気のソケットと穴を広げたシャンデリアパーツを連結と固定をするためのネジ溝のある鉄の棒です。必要な長さにカットして使用します。
次に、パーツと電球のソケットを固定させるためのネジ溝のある鉄の棒をハメるため、広げた穴にネジきりを使って、ネジ溝をつけます。
ネジ溝をひとつずつ丁寧に手作業でつけました。
穴を広げてネジ溝とつけたシャンデリアパーツに、ネジ溝のある鉄の棒をハメました。
電気配線を通し、一部パーツを組みました。
加工と配線を済ませた6つのアームと中央のパーツを組んだ状態です。
フランジの連結用の金具(外側)の取替えが必要ですね。
腐食や摩擦により耐久性が低下しているので、交換です。
金具ひとつも雰囲気が馴染むように色を合わせています。
<右側の画像が交換後になります。>
フランジの連結用の金具(内側)も腐食がひどいので、交換します。これで、強度が保たれて安心です。
フランジ内部にある金具なので取付時は見えません。
<右側の画像が交換後になります。>
錆びついて耐久性、強度が心配なチェーンも交換します。
チェーンも雰囲気を壊さないよう照明に馴染むものを・・
<右側の画像が交換予定のチェーンです。>
擦り切れて、劣化してしまっている電気配線を日本製の新しい配線に、いちから丁寧に交換しています。 配線のコードの色は、シャンデリアの雰囲気に合うものを選んでおります。
まず、ご覧頂きたいのが下記の4枚の写真で、古くなり使用を続けるのは危険な配線です。
古い配線を全て取り除き、日本製の新しい配線に交換します。金属と配線が摩擦で破損しやすい部分には、配線をカバーして摩擦による擦り切れを保護。細かな作業ですが、安全に長くご使用していただく為です。
最後に、パーツを組んでいきます。
その際、チェーンや仕上げのコードの色、長さの調整もします。
中央のパーツを組みます。
本体とチェーンを連結します。
チェーンの長さを調整し、見える部分の電気コードは、美しい仕上げになるように透明タイプを使用しチェーンに通します。
チェーンとフランジを連結し、電気コードを通す。
シャンデリア下の飾りパーツを取り付ける。
電気ソケットを取付て、最後にローソクカバーを装着する。
以上のような工程を それぞれのシャンデリアに適した加工や修復、部品の交換、美装を施し、同時に安全にご使用いただくための、点検や補強も欠かさずおこなっております。
<ローソクカバーは、エイジングタイプを使用しています。>
ひとつひとつを丁寧にリペアすることにより、80年、90年以上前の古いランプでも、安全に使用することができ、そして世代を超えて、これからも愛され続ける美しいアンティークランプへと生まれ変わりました。